2011/08/11

牧場、飼育牛を大幅削減 安愚楽牧場が再建計画案

http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20110810/585684
牧場、飼育牛を大幅削減 安愚楽牧場が再建計画案
(8月11日 05:00)

民事再生法の適用を申請し、東京地裁から保全命令を受けた黒毛和牛生産の安愚楽牧場(那須塩原市埼玉、三ヶ尻久美子社長)が、再建計画案として全国40カ所の自社牧場や約350カ所の預託牧場を縮小し、現在飼育している約14万5千頭の黒毛和牛を大幅に減らす方針であることが10日、同社幹部への取材で分かった。これらの事業縮小に伴う人員削減も避けられない見通し。農林水産省は同日、牧場などの実態調査を始めた。債権者説明会は17日に神戸市、19日に東京都内で開く予定。
那須町の牧場事務所で10日、報道陣の取材に応じた同社常務執行役員男性は「オーナー様には申し訳ない。経営の責任は重々感じている」と陳謝した。
3月末時点の負債総額は約619億8700万円。出資者は47都道府県に約7万人おり、契約解除にかかる費用は最大で約4千億円に上る見込みで、負債総額はさらに膨らむとみられる。関連のホテルやレストラン事業は継続する。
経営悪化の要因として、福島第1原発事故による契約解除の増加や和牛の価格下落が挙げられている。解約件数は震災前より3~4倍増加したという。安愚楽牧場の役員は「東京電力の被害者としてみてもらいたい」と述べ、東電への損害賠償に向けた準備を進めていることを明らかにした。
債権者説明会は神戸がグリーンアリーナ神戸(約5千席)、東京が両国国技館(約1万席)でそれぞれ1日2回行われる。
安愚楽牧場の「和牛オーナー制度」でオーナーが所有する繁殖牛は約7万頭。約70万頭とされる国内繁殖牛の1割を占める。農林水産省は約350カ所ある預託牧場への影響を懸念し、都道府県を通じ情報収集している。
県によると、県内には安愚楽牧場の自社牧場5カ所、民間の預託牧場が6カ所ある。5月現在、直営牧場では繁殖牛、肥育牛など計約4400頭、預託牧場では3100頭を飼育している。

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