2011/08/31

預託農家が説明要望へ 安愚楽牧場

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預託農家が説明要望へ 安愚楽牧場
2011年08月31日

和牛オーナー制度を運営する「安愚楽(あ・ぐ・ら)牧場」(本社・栃木県)の経営が行き詰まった問題で、同社から牛を預かって育てている県内の預託農家が、同社に今後の経営方針について説明を求める方針であることが30日、わかった。一時滞っていた農家への預託料の支払いは再開されたものの、農家からは先行きを心配する声が上がっている。
新富町の伊藤成年さん(51)は、肉用牛を育てる肥育農家だ。県内の預託農家でつくる「宮崎安愚楽会」の会長で、一部のメンバーから「自分たち(預託農家)の先行きや同社の経営方針を聞きたい」との声が寄せられている。「会としての総意ではないが、情報を得ていくらかでも不安を解消したい」と伊藤さんは話す。
11年前に会社員を辞め、家族の勧めで預託農家になった。昨年の口蹄疫(こう・てい・えき)では、預かっていた牛50頭を殺処分。だが今年5月10日に飼育を再開し、増設した畜舎2棟で109頭を育てている。
預託金はこれまで月1回振り込まれてきた。今は一頭あたり一日120円で、月約36万円になる。うち十数万円を肥育に必要な光熱費などに充てている。
安愚楽牧場の経営難が表面化する以前の6月分から預託金が一時、振り込まれなくなった。同社から供給される餌の量もいったん4分の1まで減った。
ただ、預託金の振り込みは今月12日から再開、餌の量も3分の2程度にまで回復した。
しかし、安愚楽会のメンバーの中には、同社から「支給する餌を半分に減らしたい」との連絡を受けた農家もあるという。同社の再生計画はまだ不明。預託農家の今後の取り扱いについても、今のところ同社から連絡はない。
同社との預託契約は1年単位。伊藤さんは「次の契約ができるのか。飼育成績がよくないと打ち切られるのではないか」と不安げだ。「県内のすべての預託農家が存続できるよう、同社に求めたい」と話す。

◆県内 預託22戸、210人が出資
農林水産省のまとめでは、8月10日現在、「安愚楽牧場」直営の牧場は全国に38カ所、預託農家は346戸。両方を合わせた飼育牛は計14万5100頭。地域別の預託農家数は、北海道(136戸)が最も多く、これに九州(121戸)が続く。
県などによると、県内の預託農家は22戸(ほかに1戸が休止中)で全国の6%だ。内訳は、肉用牛を育てる「肥育農家」が9戸、子牛を生ませて育てる「繁殖農家」が13戸。同社の牧場3カ所と預託農家で計約6千頭が飼育されている。
一方、帝国データバンク宮崎支店の調べでは、県内には210人の出資者がいる。うち1千万円以上の大口出資者は32人。債権総額は10億3900万円に上るという。

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