2011/08/20

県内オーナー よぎる「解約」踏み切れず

http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20110819/591932
県内オーナー よぎる「解約」踏み切れず
(8月20日 05:00)

「あんなにたくさんのお金はどこへ行ったの」。19日に両国国技館で開かれた安愚楽牧場の債権者説明会。マス席で代理人弁護士の説明を聞いた県北の主婦(57)は、深いため息をついた。同牧場が和牛オーナー約7万3千人から集めた出資金は約4200億円。「新たな出資金を支払いに使う自転車操業だったんでしょうね」
主婦は約5年前、知り合いに勧められ、オーナーになった。それまでに他の「和牛預託商法」の会社が相次ぎ破綻したが、安愚楽は残っていた。「残るってことは出資しても安全ということかな」。老後に備え長年ためた数百万円を投じた。
契約時、3万円の商品券や季節の高級果物をプレゼントされた。1年後、元金の2・5%に当たる配当を手にした。銀行よりもはるかに高利回りだ。年1回確実に入る配当金。今の出資額は当初の2倍以上に増え、500万円を超えている。
「配当金やプレゼントは、やっぱりうれしかった」と主婦。が、どこか安愚楽の経営の危うさも感じていた。毎月送られてくる出資勧誘チラシでは配当率が徐々に上昇。「経営が厳しいから率を上げて、資金調達しているのかな」
今年初め、安愚楽が口蹄疫問題の悪影響を受けていること知り、解約を検討した。その後届いた同社の文書は、業績が持ち直しつつあると強調していたという。解約を思いとどまった。そして経営破綻。主婦は訴える。
「損害は自己責任。でも、正しい情報は伝えられたのか…」

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