http://www.data-max.co.jp/2011/08/post_16071.html
安愚楽牧場 嵐の債権者説明会(6)~「計画倒産なのでは!!」
2011年8月24日 15:30
債権者説明会は、終焉を迎えようとしていた。これまで債権者からの追及で共通点が多かったのが、経営状態が悪化していたにもかかわらず、『経営状態に問題はない』として契約をつなぎとめていたことは、詐欺にあたるのでないか? ということだ。最後の質問者は、これまでの質問を総まとめするかのように、核心をついた指摘を繰り返した――。
債権者(女性)「オーナー制度について質問があります。今回、7万3,000人から、4,200億円にもおよぶお金を集めているのですが、本来、この資金は借入金という位置づけになると思います。そうなれば、支払いの時のために、引当金などを計上していないとおかしいと思います。なのに、先ほど弁護士の方は、集めたお金を売上に上げ、仕入れの経費として処理をしていたと言いました。また、売上の比率は過去3年間、黒毛売買が7割前後となり、収入源にもなっています。
支払に関しては、すべて経費であげている。そうすると結局、自転車操業と言われても仕方がないと思います。
新しい会員の方の契約金が入るか、契約の更新が続かないと支払いが滞るということが、はっきりと最初からわかっている構造です。『粉飾ではない』とおっしゃっていましたが、そちらが用意されたこの損益計算書、これが詐欺をしていた、自転車操業をしていたという動かぬ証拠になると思います。
先ほど、東電に賠償を求める話がありました。経営者が悪いのではなく、口蹄疫や大震災、セシウム問題という流れで倒産に至ったということですが、実際は口蹄疫の前から、経営はおかしかったんだと思います。だから本当のことが言えなくて、資金集めをやめることができなかったと思います。それが本当の姿ではないでしょうか。今、私たちがしなければいけないことは、7万3,000人から集めた資金の流れを解明することだと思います。
私は元々3万人と言っていたオーナー会員が、なぜ7万3,000人にまで膨らんだのか、すごく疑問を持っています。牛15万頭のうちの10万頭であるというオーナー繁殖牛が、本当に7万3,000人のオーナーのものであるのか、それだけの数の牛が本当にいるのかどうか、ここもまだわかりません。本当に嘘だらけ。
みなさんの質問を聞いていましたが、社長はまったく質問に答えていません。1%しか解約がいないと説明してきたのに、倒産したら『解約が続出して経営が悪化して倒産に至った』と言う。嘘ばっかりじゃないですか! どうしてそんなに嘘ばかり言うのですか?
あなた方が言うことは、私たちは何ひとつ納得がいかないです。
今回は民事再生法について説明をされてきましたが、なぜ、『破産』でもなく、『会社更生法』でもなく、『民事再生法』なのか。説明を受けても私はわからないです。もっと大勢の弁護士がしっかりとした調査をしてもいいのに、なぜか、たった二人の弁護士さんが、民事再生を急いで進めています。駆け込みの手続きをしたことで、会社更生法はもうできないとも言います。
民事再生法を選択し、経営陣が残ることで、7万3,000人から集めた4,200億円の資金の流れをうやむやにして、終わらせようとしているのではありませんか! 本当はもっと前に終わりになる会社だったのに、刑事罰を恐れ、このシナリオで仕方がなく倒産したという形にしたいだけだと思います。
私たちにできることは、あなた方が隠そうとしている資金の流れを明らかにすることだけです。もし、破産が残された道なのであれば、私たちは民事再生法の再建案に賛成したくはありません。以上の説明をお願いいたします」
回答者(弁護士)「まず、なぜ民事再生法を選択したかについて、再度、説明させていただきます」
債権者「社長が答えろ!社長が!」(罵声)
回答者(弁護士)「たとえ牛を叩き売るような形になったとしても、どなたかが、この事業を引き受けてくれれば、牛を飼育できなくて餓死させてしまうよりはましです。
破産にした場合、最悪のパターンは、破産したことで牛の飼育ができなくなり、牛がバッタバッタと死んでしまうことです。
そうなった場合、みなさんに一銭も戻ってこないという可能性もあります。生き物が資産になっているケースでは、価値がある状態で処理できる場合とそうでない場合では、極端に結果が変わってしまうのです。
また、『自転車操業だったのでは?』というご指摘ですが、私もそのような感想を抱いてないわけではありません。しかし、決算書では過去にさかのぼって分析していませんので、『いくら消えたのか』といった数字的なことは、今の段階では的確にお答えできません。それは責任を持ってこれから調査を進め、しかるべき時にきちんと開示していくつもりです」
司会「まだご質問を希望される方、大勢いらっしゃると思いますが、30分も延長してしまいましたので、終わりにしたいと思います。最後に三ヶ尻の方から、もう一度ご挨拶させていただきます」
債権者「まだできるだろ!」「もう1回説明し直せ!」「質問にちゃんと答えろよ!」(罵声)
三ヶ尻氏「えー・・・・・・このような事態を招きましたこと、心からお詫び申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」
司会「以上を持ちまして、安愚楽牧場代理人弁護士による債権者説明会を終了させていただきます」
(つづく)
【山本 剛資】
安愚楽牧場 嵐の債権者説明会(6)~「計画倒産なのでは!!」
2011年8月24日 15:30
債権者説明会は、終焉を迎えようとしていた。これまで債権者からの追及で共通点が多かったのが、経営状態が悪化していたにもかかわらず、『経営状態に問題はない』として契約をつなぎとめていたことは、詐欺にあたるのでないか? ということだ。最後の質問者は、これまでの質問を総まとめするかのように、核心をついた指摘を繰り返した――。
債権者(女性)「オーナー制度について質問があります。今回、7万3,000人から、4,200億円にもおよぶお金を集めているのですが、本来、この資金は借入金という位置づけになると思います。そうなれば、支払いの時のために、引当金などを計上していないとおかしいと思います。なのに、先ほど弁護士の方は、集めたお金を売上に上げ、仕入れの経費として処理をしていたと言いました。また、売上の比率は過去3年間、黒毛売買が7割前後となり、収入源にもなっています。
支払に関しては、すべて経費であげている。そうすると結局、自転車操業と言われても仕方がないと思います。
新しい会員の方の契約金が入るか、契約の更新が続かないと支払いが滞るということが、はっきりと最初からわかっている構造です。『粉飾ではない』とおっしゃっていましたが、そちらが用意されたこの損益計算書、これが詐欺をしていた、自転車操業をしていたという動かぬ証拠になると思います。
先ほど、東電に賠償を求める話がありました。経営者が悪いのではなく、口蹄疫や大震災、セシウム問題という流れで倒産に至ったということですが、実際は口蹄疫の前から、経営はおかしかったんだと思います。だから本当のことが言えなくて、資金集めをやめることができなかったと思います。それが本当の姿ではないでしょうか。今、私たちがしなければいけないことは、7万3,000人から集めた資金の流れを解明することだと思います。
私は元々3万人と言っていたオーナー会員が、なぜ7万3,000人にまで膨らんだのか、すごく疑問を持っています。牛15万頭のうちの10万頭であるというオーナー繁殖牛が、本当に7万3,000人のオーナーのものであるのか、それだけの数の牛が本当にいるのかどうか、ここもまだわかりません。本当に嘘だらけ。
みなさんの質問を聞いていましたが、社長はまったく質問に答えていません。1%しか解約がいないと説明してきたのに、倒産したら『解約が続出して経営が悪化して倒産に至った』と言う。嘘ばっかりじゃないですか! どうしてそんなに嘘ばかり言うのですか?
あなた方が言うことは、私たちは何ひとつ納得がいかないです。
今回は民事再生法について説明をされてきましたが、なぜ、『破産』でもなく、『会社更生法』でもなく、『民事再生法』なのか。説明を受けても私はわからないです。もっと大勢の弁護士がしっかりとした調査をしてもいいのに、なぜか、たった二人の弁護士さんが、民事再生を急いで進めています。駆け込みの手続きをしたことで、会社更生法はもうできないとも言います。
民事再生法を選択し、経営陣が残ることで、7万3,000人から集めた4,200億円の資金の流れをうやむやにして、終わらせようとしているのではありませんか! 本当はもっと前に終わりになる会社だったのに、刑事罰を恐れ、このシナリオで仕方がなく倒産したという形にしたいだけだと思います。
私たちにできることは、あなた方が隠そうとしている資金の流れを明らかにすることだけです。もし、破産が残された道なのであれば、私たちは民事再生法の再建案に賛成したくはありません。以上の説明をお願いいたします」
回答者(弁護士)「まず、なぜ民事再生法を選択したかについて、再度、説明させていただきます」
債権者「社長が答えろ!社長が!」(罵声)
回答者(弁護士)「たとえ牛を叩き売るような形になったとしても、どなたかが、この事業を引き受けてくれれば、牛を飼育できなくて餓死させてしまうよりはましです。
破産にした場合、最悪のパターンは、破産したことで牛の飼育ができなくなり、牛がバッタバッタと死んでしまうことです。
そうなった場合、みなさんに一銭も戻ってこないという可能性もあります。生き物が資産になっているケースでは、価値がある状態で処理できる場合とそうでない場合では、極端に結果が変わってしまうのです。
また、『自転車操業だったのでは?』というご指摘ですが、私もそのような感想を抱いてないわけではありません。しかし、決算書では過去にさかのぼって分析していませんので、『いくら消えたのか』といった数字的なことは、今の段階では的確にお答えできません。それは責任を持ってこれから調査を進め、しかるべき時にきちんと開示していくつもりです」
司会「まだご質問を希望される方、大勢いらっしゃると思いますが、30分も延長してしまいましたので、終わりにしたいと思います。最後に三ヶ尻の方から、もう一度ご挨拶させていただきます」
債権者「まだできるだろ!」「もう1回説明し直せ!」「質問にちゃんと答えろよ!」(罵声)
三ヶ尻氏「えー・・・・・・このような事態を招きましたこと、心からお詫び申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」
司会「以上を持ちまして、安愚楽牧場代理人弁護士による債権者説明会を終了させていただきます」
(つづく)
【山本 剛資】
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