2011/08/08

日高川町小釜本の安愚楽牧場が経営危機

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日高川町小釜本の安愚楽牧場が経営危機

平成15年、日高川町小釜本にあった旧中津村農協経営の肉牛用施設を買い取り、近畿初の直営牧場を進出させた(株)安愚楽牧場=本社・栃木県那須町=の資金繰りが悪化。1日に代理人弁護士に債権債務調査を依頼したという。宮崎県の口蹄疫問題や福島原発事故による放射性セシウムの牛肉感染問題が影響したと見られている。日高川町では、町誕生後2社目として早藤地内に進出した下着製造メーカーが、5月に事業を停止したばかりで、相次ぐ町内進出企業の暗いニュースに町関係者らもショックを受けている。
日高川町小釜本の肉牛用施設は、敷地面積2万2152平方メートルで昭和59年度に建設。繁殖牛舎や肥育牛舎などの施設18棟(9891平方メートル)を設置し、当初は730頭を飼育していたが、輸入牛肉の自由化や狂牛病問題などが原因で組織経営が苦しくなり、黒毛和牛のオーナー制度を運営する安愚楽牧場が購入した。
同社が近畿初の直営牧場として開設したのは平成15年。平成16年2月には当時の中津村や地元区、JAと同社が「肉牛団地運営及び飼育に関する覚書」に調印した。当時の村幹部も進出を大歓迎し「全国一の名門の畜産会社」として期待を表し、同年4月には当時の県知事も視察。進出当時は同地元を中心に採用した従業員6人が働き、黒毛和牛783頭が飼育された。現在は約630頭。
同牧場は昭和56年に有限会社安愚楽共済牧場として設立。繁殖牛のオーナーを募集(約3万人)し、子牛を買い取る和牛オーナー制度の運営が特徴で、旧中津村に進出した当時は24カ所だった自社直営牧場も全国40カ所に増え、338カ所の預託先牧場を運営するなど国内最大級の黒毛和牛牧場として知られている。今年3月期の売上高は過去最高の1027億円。
口蹄疫問題や福島第1原発事故などが原因で、出荷停止や会員の解約で資金繰りが悪化したとみられ、東京商工リサーチによると1日、代理人弁護士に債権債務調査を依頼。取引先への代金支払いも停止状態だという。負債総額は3月末期で約620億円。
日高川町の玉置町長は2日、全職員に向けたメールで今回のニュースを伝え「5月のマルテン天満屋、安愚楽牧場、いずれも兆候が見られていないのでショックだ。少ない職場や元気が町内から消えていくのが寂しいし、深刻だ」とのコメントを寄せている。

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