http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20110808/ecn1108081547005-n1.htm
最新版アブナイ企業300社リスト!震災で経営暗転
2011.08.08
経営に問題がある企業を実名で公開、経営実態を明かす仰天のセミナーが先日、都内で開かれた。銀行や商社の審査担当者ら約300人が出席。配布された「危ない企業300社リスト」を食い入るように見つめ、会場には緊張感が走る。東日本大震災後初となり、今まで以上に企業経営が注目されるこのセミナーに本紙も潜入。その驚くべき中身を実況中継する。
セミナーの主催者は、企業に深く食い込んで情報を取ることで知られる信用調査会社「東京経済」(東京)。壇上の男性情報部員が次々と情報を公表し、張りつめた空気が漂う会場で2時間弱、出席者たちは黙々とメモを取っていった。
やはり気になるのは震災の被災地に絡んだ動向だ。土木会社の下請け業者は「取引先が復興需要を取り込んで上向くだけの体力があるか気になる」、金融機関の与信担当者は「復興に効果のある融資をするためにも的確な情報収集が必要」と真剣だ。
セミナーは2月と8月の年2回開かれ、最新の「危ない企業300社リスト」が配られる。リストの信用度は高く、2月にリストアップされた300社のうち「19社が7月末までに経営破綻か営業停止に陥った」(東京経済)という。
2月のリストには、甘味料「トレハロース」の製造で知られる「林原」(岡山)、原発事故の被害を受け、営業停止中の畜産会社「安愚楽(あぐら)牧場」(栃木)、3月に東京地裁へ自己破産を申請した石油化学製品販売「東永産業」(東京)、民事再生申請のカジュアルウエア小売り「サム&カンパニー」(埼玉)などが含まれていた。
リストはA4判10枚つづり。企業名、所在地、業種、年商、主力銀行などが記され、右端にはA~Jのアルファベットが並ぶ。Aは「資金繰り悪化」、Bは「社内人事抗争」、Cは「不祥事」、Dは「取引先撤退」、Eは「債務超過」…を意味し、経営上の問題点がひと目で分かる。
今回リストアップされた300社を業種別にみると、もっとも多かったのは建設・土木・住宅関連の73社。
経営への影響を考慮して会社名は伏せるが、歴史のある中堅ゼネコンは「社長の行き過ぎたワンマンぶりで業績悪化」、知名度の高い注文住宅施工業者は「震災後の混乱で工期ずれのほか資金繰り懸念も。どこまで持つのか注目」と指摘された。
次に多いのが飲食・食品関連の19社。
海外の料理を手がける飲食店経営会社は「かねてより債務超過だが、震災後は高級店が特に厳しい」。この会社だけでなく、震災によるキャンセルの嵐で経営が傾いた飲食業者は数多い。また、関係者の刑事事件によって信用を落とした会社の名も複数見受けられた。
そのほかで目立ったのは、震災後に動向が注目され続ける巨大企業で、「生きているような死んでいるようなゾンビ状態」と手厳しい。また、東北の被災3県が本拠地で、本社工場が津波で流された会社がリストアップされたのも、今回の特徴といえる。
リストに並んだ300社のうち、上場企業は37社だった。
セミナーを主催した東京経済の伊藤剛副支社長が、今後の情勢を解説した。
「建設業界の動向に注目したい。被災地では特需によって救われた社もある。ところが、被災していない地域では公共事業がほとんどない状態で、地場の建設業者に倒産が増えてしまうだろう。規模の大きな会社なら仙台あたりに支社を作って復興需要を取り込めるだろうが、小さな会社ではそうもいかない。ただ全業種を総括すると、大きな会社が倒産する気配はあまりない。緊急時では政府も金融機関も大型倒産の混乱は避けたいのかもしれない」
震災は全国各地の経営者に、さまざまな泣き笑いをもたらしている。
最新版アブナイ企業300社リスト!震災で経営暗転
2011.08.08
経営に問題がある企業を実名で公開、経営実態を明かす仰天のセミナーが先日、都内で開かれた。銀行や商社の審査担当者ら約300人が出席。配布された「危ない企業300社リスト」を食い入るように見つめ、会場には緊張感が走る。東日本大震災後初となり、今まで以上に企業経営が注目されるこのセミナーに本紙も潜入。その驚くべき中身を実況中継する。
セミナーの主催者は、企業に深く食い込んで情報を取ることで知られる信用調査会社「東京経済」(東京)。壇上の男性情報部員が次々と情報を公表し、張りつめた空気が漂う会場で2時間弱、出席者たちは黙々とメモを取っていった。
やはり気になるのは震災の被災地に絡んだ動向だ。土木会社の下請け業者は「取引先が復興需要を取り込んで上向くだけの体力があるか気になる」、金融機関の与信担当者は「復興に効果のある融資をするためにも的確な情報収集が必要」と真剣だ。
セミナーは2月と8月の年2回開かれ、最新の「危ない企業300社リスト」が配られる。リストの信用度は高く、2月にリストアップされた300社のうち「19社が7月末までに経営破綻か営業停止に陥った」(東京経済)という。
2月のリストには、甘味料「トレハロース」の製造で知られる「林原」(岡山)、原発事故の被害を受け、営業停止中の畜産会社「安愚楽(あぐら)牧場」(栃木)、3月に東京地裁へ自己破産を申請した石油化学製品販売「東永産業」(東京)、民事再生申請のカジュアルウエア小売り「サム&カンパニー」(埼玉)などが含まれていた。
リストはA4判10枚つづり。企業名、所在地、業種、年商、主力銀行などが記され、右端にはA~Jのアルファベットが並ぶ。Aは「資金繰り悪化」、Bは「社内人事抗争」、Cは「不祥事」、Dは「取引先撤退」、Eは「債務超過」…を意味し、経営上の問題点がひと目で分かる。
今回リストアップされた300社を業種別にみると、もっとも多かったのは建設・土木・住宅関連の73社。
経営への影響を考慮して会社名は伏せるが、歴史のある中堅ゼネコンは「社長の行き過ぎたワンマンぶりで業績悪化」、知名度の高い注文住宅施工業者は「震災後の混乱で工期ずれのほか資金繰り懸念も。どこまで持つのか注目」と指摘された。
次に多いのが飲食・食品関連の19社。
海外の料理を手がける飲食店経営会社は「かねてより債務超過だが、震災後は高級店が特に厳しい」。この会社だけでなく、震災によるキャンセルの嵐で経営が傾いた飲食業者は数多い。また、関係者の刑事事件によって信用を落とした会社の名も複数見受けられた。
そのほかで目立ったのは、震災後に動向が注目され続ける巨大企業で、「生きているような死んでいるようなゾンビ状態」と手厳しい。また、東北の被災3県が本拠地で、本社工場が津波で流された会社がリストアップされたのも、今回の特徴といえる。
リストに並んだ300社のうち、上場企業は37社だった。
セミナーを主催した東京経済の伊藤剛副支社長が、今後の情勢を解説した。
「建設業界の動向に注目したい。被災地では特需によって救われた社もある。ところが、被災していない地域では公共事業がほとんどない状態で、地場の建設業者に倒産が増えてしまうだろう。規模の大きな会社なら仙台あたりに支社を作って復興需要を取り込めるだろうが、小さな会社ではそうもいかない。ただ全業種を総括すると、大きな会社が倒産する気配はあまりない。緊急時では政府も金融機関も大型倒産の混乱は避けたいのかもしれない」
震災は全国各地の経営者に、さまざまな泣き笑いをもたらしている。
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