2011/08/18

「金返ってくるのか」債権者ら 安愚楽牧場

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/news/20110817-OYT8T01167.htm
「金返ってくるのか」債権者ら 安愚楽牧場

不透明な状況に不安
「金は返ってくるのか」「経営が傾いている情報はなかった」――。那須塩原市の安愚楽牧場が民事再生法の適用を申請した問題で、県内の債権者から、怒りや戸惑いの声が上がっている。債権者らは出資金がどれくらい返るのかが不透明な状況に不安を感じている。
■感心していたのに…
1000万円以上投資した県北の女性(67)は「元金が全額返せなくなるほど悪化してから発表するなんて、だましたのと同じ。絶対に許せない」と怒りをあらわにする。
女性は6、7年前に投資し、6~7%の配当を受け取ってきた。昨夏の口蹄疫(こうていえき)問題のときも、同社から「オーナーには心配をかけない」と説明を受け、配当も滞らなかったため、「うまく経営している」と感心していたという。
東日本大震災で自宅の屋根などが壊れ、9月末の配当を頼りにしていた。「倹約してためた大事なお金だったのに、全部なくなるかもしれない。月々10万円の年金しかなく、諦めきれない」と涙声で語った。
■高額出資の人も 高額の出資をした人の落胆は大きい。家族で数千万円を投資してきた県北の農業男性(63)は「こんなことになるなら株など、ほかの金融商品にしておけばよかった」と悔やむ。投資した資金はほぼ全財産だった。
男性は、6~7年前に投資を始めた。定期的に届く通知には、業績拡大についてや「和牛飼育頭数日本一」などと書かれ、配当が予定を下回ったり、滞ったこともなかったため、「信頼しきっていた」と振り返る。
17日に神戸市で開かれた説明会については「一方的な説明だったようだが、資産はあきらめきれない。きちんと誠意を見せてほしい」と憤った。
■怒りの矛先どこに 出資者の中には、憤りの気持ちをどこに向ければいいか困惑している人もいる。県西部の男性会社員(55)は約20年前から、妻と計2000万円を投資していた。「経営が傾いているという情報はなく、不安は全くなかった」が、8月1日に配当の支払い停止を告げる手紙が届き、初めて実態を把握した。
4、5月に解約した約400万も入金されるめどはたっていない。「悪いのは安愚楽なのか、東京電力なのか。怒りの矛先をどこに向けていいかわからない」と困惑した様子で語った。
(2011年8月18日  読売新聞)

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