2011/08/04

安愚楽牧場、東電に賠償請求の方針

http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20110803/580151
安愚楽牧場、東電に賠償請求の方針
(8月4日 05:00)

資金繰りの悪化で取引先などへの支払いが停止状態にある黒毛和牛生産の安愚楽牧場(那須塩原市埼玉)の男性役員(52)が3日、下野新聞社の取材に応じ「東京電力や国に何らかの形で相談したい」などと福島第1原発事故に伴う賠償請求や支援を要請する方針を明らかにした。一方、同社の和牛オーナー制度の出資者からは「元金だけでも戻してほしい」「電話がつながらない」などと苦情や不安の声が相次いでる。
東京商工リサーチ宇都宮支店によると、3月末時点の同社の負債総額は約620億円。全国に約3万人とされる和牛オーナーへの配当も停止している。
経営悪化の要因について男性役員は「原発事故による福島県内での肉牛の出荷停止や、風評被害で和牛の価格が下落したことが大きい」と釈明した。

男性役員は「資産や負債の現状を把握する調査を弁護士に一任している。一定の方向性が出ればオーナーの皆さんにきちんと説明したい」と理解を求め、「あくまで事業の継続を目指している。オーナーの皆さまにはご心配をお掛けして申し訳ない」と謝罪した。
同社は和牛オーナー制度の出資者など債権者向けのコールセンターを設置して問い合わせに対応している。しかし「電話がつながらない」と那須塩原市の本社などに駆け付ける出資者らは後を絶たない。
新幹線で来たという東京都の40代女性は「経営状態もいいとか、風評被害に負けず持ち直していると言われ信じて申し込んだのに…。(出資した50万円の)元金だけでも戻してほしい」と訴えた。
1億2千万円を出資しているという埼玉県上尾市の主婦(42)は「安愚楽の経営を応援したいという思いは強いが、説明だけはしっかりしてもらいたい」と語気を強めた。
県くらし安全安心課によると、3日までの6日間に県消費生活センターへ寄せられた相談は計32件。大半は「入金がなく電話もつながらない」「支社に行っても臨時休業で連絡がとれない」などの内容だという。

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