2011/08/10

和牛オーナー制 安愚楽牧場が再生法申請

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2011081002000190.html
和牛オーナー制 安愚楽牧場が再生法申請
2011年8月10日 夕刊

和牛オーナー制度で資金調達し、黒毛和牛の生産を全国展開する畜産会社「安愚楽(あぐら)牧場」(栃木県)が、九日に東京地裁に民事再生法の適用を申請し、保全命令を受けたことが十日、同社幹部への取材で分かった。三月末時点の負債総額は約六百十九億八千七百万円。
出資者は四十七都道府県に約七万人おり、契約解除にかかる費用は最大で約四千億円になる見込みで、負債総額はさらに膨らむとみられる。
経営悪化の要因として、東京電力福島第一原発事故による契約解除の増加や、和牛の価格下落を挙げている。幹部は「われわれの過失もあるが東電の過失割合は大きい」として、東電に損害賠償を請求する考えを示した。
幹部によると、契約上、出資者は所有物の繁殖牛を同社に買い戻しさせることができるが、現在の和牛の相場や経費を差し引くと、買い戻し額は元本から大幅に減額になる見込み。栃木県の弁護士が今月八日、出資者の相談を受け付ける弁護団を結成している。
今月十七日に神戸市、十九日に東京都内で債権者への説明会を開く予定。
同社は和牛生産の事業は縮小し再建を目指す方向で、全国に四十カ所ある自社牧場や牛を預託する約三百三十カ所の牧場を廃止・集約し、現在飼育する約十四万五千頭を大幅に減らす。関連のホテルやレストランの事業は継続する。
二〇一〇年の口蹄(こうてい)疫問題に続き、牛肉から放射性セシウムが検出され和牛の価格が下落したことで、一気に経営が悪化。出資者の契約解除申し込みが大幅に増えたことも影響した。七月下旬から牛の餌代などが支払えない状況に陥り、担当弁護士が資産や負債を調査していた。

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