2011/08/05

安愚楽牧場の悲劇…1億円突っ込んだ会員が慟哭の激白!

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110803/dms1108031149004-n1.htm
安愚楽牧場の悲劇…1億円突っ込んだ会員が慟哭の激白!
2011.08.03

和牛オーナー制度による投資で、全国に3万人の会員を持つ「安愚楽(あぐら)牧場」(栃木県那須町)が、経営状況の悪化により配当を停止した。昨年の口蹄疫問題や福島第1原発事故によるセシウム汚染、その後の風評被害による牛肉価格の下落が原因という。負債総額は3月末時点で619億8705万円。過去25年間で、同社に約1億円をつぎ込んだ実業家の男性(51)が本紙の取材に応じ、思いをぶちまけた。
男性が情報誌を通じて安愚楽牧場を知ったのは、バブル景気が始まる1986年のことだった。映像制作の仕事に忙殺される毎日のため、株や外国為替のような情報収集を求められる投資は難しい。そこで、繁殖牛のオーナーとなり、生まれた子牛を同牧場が買い取る投資ビジネスに着目。安定的に実質10%の利息(※正確には子牛予定売却利益金)を得られる仕組みにひかれたという。
「とりあえず2口400万円を預託したところ、1年後の4月末日に、9%の利息(=36万円)と1%分(=4万円)の牧場商品券を手に入れることができました。6年後の満期には、元金と合わせて436万(プラス商品券4万円分)が返ってきたので、手つかずの6年分の利息計216万円を合わせた3口600万円を再び預託した」
バブル絶頂期の90年代初頭には、同じような投資をうたった「和牛商法」ブームが到来。実際には和牛を所有していない会社が、十数パーセントの高利息で投資をあおる中、安愚楽は利率を上げず、経営姿勢を崩さなかった。
これも安心感を誘い、男性はさらに信用の度を深め、生活資金をのぞくほぼすべての収入と利息を“雪だるま”式に投資に回していく。
「一度も遅配になったことはなく、経営を疑うどころか、口蹄疫問題のときでさえ、(他の投資への)リスク分散を考えないほど信頼していた」
テレビなどのCMに加え、「VIP限定」と銘打った一般会員より高利率の限定投資の勧誘が増えたことがやや気にはなったが、男性は昨年10月に1000万円、12月にも300万円を預託。安愚楽への総投資額は9500万円になった。
それとともに配当金も上昇し、1年間で800万円を超す水準に。妻と小学生の子供2人を養うには十分で、本業の収入を合わせて、豊かな老後を信じて疑わなかったという。
しかし、7月19日、これまでとは異なる事態に直面する。委託期間が6カ月と極端に短い1000口限定のプランに預託しようとしたが、売り切れを理由に断られた。約2週間後の8月1日、突然送られた1枚の「通知書」を見て、顔面蒼白になった。
「通知書の『債権者への支払いは停止する』の文言を見て、頭の中が真っ白になりました。涙より笑いしか出なかったですね。これまで一度として(預託を)断られたことがなかったので、あの時点(7月19日)でパンクしていたのでしょう。今考えれば、バカだったなと思います」
まさに青天の霹靂。
細野豪志原発事故担当相は、安愚楽が原発事故の賠償対象となる可能性を示唆したが、男性は「期待して裏切られるのはね」と力なく笑うだけだった。

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