2011/08/11

安愚楽牧場の預託料は…対策組織の動き

http://www.tokachi.co.jp/news/201108/20110811-0010054.php
安愚楽牧場の預託料は…対策組織の動き
2011年08月11日 15時28分

黒毛和牛生産の「安愚楽牧場」(本社・栃木県)が東京地裁に民事再生法の適用を申請し、十勝管内でも関係する農家に不安が広がっている。道農政部によると、管内の契約預託牧場は約50戸に上る。直営牧場を抱える自治体では対策を模索しているほか、今後、被害農家が連携して組織を立ち上げる動きも出てきそうだ。
「この先どうなるのか…」
「民事再生は可能か」
10日午後、足寄町内で開かれた預託農家6戸の会合では不安の声が上がった。240頭を預かる農家は粗飼料を自前で賄っているが、「今週中に餌が底を突く農家もいる」と心配する。
直営牧場のある足寄町では14戸の預託農家で約2500頭を飼養、JAあしょろ管理の町営大規模草地に約550頭が預けられている。直営牧場では3000頭が飼われ、27人が雇用されている。
会社側から同日、「9日以降の預託料は数日分支払う」という内容の文書が町内の預託農家に送付された。240頭を預かる農家は「9日以降の預託料5日分は数日中に払うと言うが本当に資金は回るのか。9日以前の分は債権になると言われ支払われないと感じた」と漏らした。
同じく直営牧場がある浦幌町には、預託農家が11戸あり、総飼養頭数は約3900頭と町内全体(3月末で7867頭)の半数に及ぶ。JAうらほろは育成牧場で預託農家の牛を預かっており、今後の動向に気をもむ。町、JA、農業委員会、改良普及センターなどは11日、連絡会議を開いて情報共有を図る。
JAうらほろの関係者は「安愚楽は個々の農家と契約して事業を行っている。農家個々の立場は弱く、連携することが必要」と語る。
全国各地では出資者の弁護団立ち上げの動きが起きており、管内の関係者は「被害農家の組織を立ち上げる必要がある」とする。12日にはJA道中央会が札幌市内で対策会議を開催するが、被害農家の組織立ち上げも議題に上がる可能性がある。
一方、同社は和牛オーナーに対する返還金について、和牛を順次売却して得られた資金を充てる方針。これに対し管内のあるJA幹部は「預託の牛はどうなるのか。もし市場で売られたら相場が大変なことになるのでは」と市場価格への悪影響を懸念する。
十勝管内は直営が3牧場(音更、浦幌、足寄)、預託牧場は約50カ所。十勝毎日新聞社の取材では、同社関係の牧場があるのは9JA管内(うらほろ、あしょろ、十勝清水町、帯広かわにし、さつない、上士幌町、大樹町、中札内村、本別町)となっている。JA道中央会のまとめでは当初11JA管内に牧場があるとされたが、帯広大正、幕別町、忠類の3JAの管内にはなかった。

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