安愚楽、実質清算へ 牧場譲渡、ホテル売却など 負債4330億円 今年最大の倒産に
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20110815/588964
(8月16日 05:00)
民事再生法の適用を申請した黒毛和牛生産の安愚楽牧場(那須塩原市埼玉、三ヶ尻久美子社長)が、牧場単位での売却、食品加工事業の事業譲渡など実質的に清算を目指すことが15日、東京商工リサーチ宇都宮支店と帝国データバンク宇都宮支店の調べで分かった。負債額は2011年3月末の619億8705万円から、4330億8300万円へと大幅に膨らんだ。和牛オーナー(出資者)7万3356人からの牛の再買い取り費用が4200億円に達し、約3850億円の債務超過になるとみられる。
負債額は、2月に会社更生法適用を申請したバイオ関連の林原(岡山市)の1322億円を大幅に上回り、今年最大の倒産となった。
両支店が入手した民事再生申立書の事業再建・弁済計画によると、黒字牧場は事業譲渡、赤字牧場は閉鎖し土地建物のみを売却する。食品加工業は事業譲渡、子会社が運営するホテル事業は会社売買もしくは施設売却となっており、「清算型による再生を目指す」としている。
破産ではなく民事再生法の手続きを選択した理由として、「(牛の価値喪失を回避するために)管理する約14万6千頭の存命を優先する。現在の飼育体制を当面、維持するためには、破産手続きを選択した場合に予想される法律上・事実上の混乱を回避する必要があった」としている。
オーナー契約に基づく牛の飼養頭数は10万6343頭。現在は同社の所有物でないため、決算書上に表示されていない。このため、再買い取り費用として4207億6700万円に上り、負債が大幅に膨らむ形となった。
同社は福島第1原発事故後の契約解除の増加や和牛の価格下落などで経営が悪化。東京地裁に9日、民事再生法の適用を申請した。
債権者向け説明会は17日に神戸市、19日に東京都内で、それぞれ1日2回開かれる。
同社関係者は15日夜、下野新聞社の取材に対し「監督官庁から何も話さないように言われているので、今は話せない。債権者説明会の後にきちんと対応したい」と述べた。
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(8月16日 05:00)
民事再生法の適用を申請した黒毛和牛生産の安愚楽牧場(那須塩原市埼玉、三ヶ尻久美子社長)が、牧場単位での売却、食品加工事業の事業譲渡など実質的に清算を目指すことが15日、東京商工リサーチ宇都宮支店と帝国データバンク宇都宮支店の調べで分かった。負債額は2011年3月末の619億8705万円から、4330億8300万円へと大幅に膨らんだ。和牛オーナー(出資者)7万3356人からの牛の再買い取り費用が4200億円に達し、約3850億円の債務超過になるとみられる。
負債額は、2月に会社更生法適用を申請したバイオ関連の林原(岡山市)の1322億円を大幅に上回り、今年最大の倒産となった。
両支店が入手した民事再生申立書の事業再建・弁済計画によると、黒字牧場は事業譲渡、赤字牧場は閉鎖し土地建物のみを売却する。食品加工業は事業譲渡、子会社が運営するホテル事業は会社売買もしくは施設売却となっており、「清算型による再生を目指す」としている。
破産ではなく民事再生法の手続きを選択した理由として、「(牛の価値喪失を回避するために)管理する約14万6千頭の存命を優先する。現在の飼育体制を当面、維持するためには、破産手続きを選択した場合に予想される法律上・事実上の混乱を回避する必要があった」としている。
オーナー契約に基づく牛の飼養頭数は10万6343頭。現在は同社の所有物でないため、決算書上に表示されていない。このため、再買い取り費用として4207億6700万円に上り、負債が大幅に膨らむ形となった。
同社は福島第1原発事故後の契約解除の増加や和牛の価格下落などで経営が悪化。東京地裁に9日、民事再生法の適用を申請した。
債権者向け説明会は17日に神戸市、19日に東京都内で、それぞれ1日2回開かれる。
同社関係者は15日夜、下野新聞社の取材に対し「監督官庁から何も話さないように言われているので、今は話せない。債権者説明会の後にきちんと対応したい」と述べた。
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