2011/09/09

【台風12号】牛・鳥・豚3万超…流され畜産業が大打撃 和歌山

http://sankei.jp.msn.com/economy/print/110908/fnc11090812550014-c.htm
【台風12号】牛・鳥・豚3万超…流され畜産業が大打撃 和歌山
2011.9.8 12:51

台風12号による豪雨の影響で、和歌山県内の牛舎や鶏舎などが河川の氾濫などで水没し、少なくとも牛約6百頭、家禽(かきん)3万羽が流出、ほとんどが死亡していたことが8日、同県への取材で分かった。海岸に打ち上げられたり、海に漂流したりする牛の死骸もあり、衛生面の懸念もある。
被害が判明しているのは日高川町など県中部が中心で、新宮市や那智勝浦町などの一部の畜産業者とは連絡が取れておらず、被害拡大の恐れもあるという。
県畜産課によると、8日現在で、少なくとも県内で牛約6百頭、家禽約3万羽、豚約7百頭、ハチの巣箱約40箱などが流出した。
このうち、肉用牛570頭を飼育していた安愚楽(あぐら)牧場(栃木県那須塩原市)の和歌山牧場(日高川町小釜本)では、日高川の氾濫で牛舎10棟が全壊もしくは水没。牛舎にいたのは14頭だけで、ほかの牛は流され、約120頭が同川下流の煙樹ケ浜(えんじゅがはま)(美浜町)約3キロにわたり漂着。日高町以北の海岸沿いや沖合にも漂流するが、安愚楽牧場が経営破綻しているため、県や漁協、自治体職員らが回収にあたっている。
浜に打ち上げられた牛はがれきに埋もれて引き出すことが困難。漂流する牛の捜索はさらに難しく、これまでに生存牛27頭と死骸77頭しか回収できていない。県は「このままでは漁船の航行にも影響が出かねない。腐敗すれば浜などの消毒措置も必要になるかもしれない」と対策を急ぐ。
このほか、同町高津尾では、ホロホロ鳥農家1戸(約250羽)の鶏舎が水没して少なくとも90羽が流出。同町弥谷でも肉用鶏2万羽が死亡。田辺市では畑に放し飼いのキジ約2百羽も浸水で死亡した。
畜産業界には波紋が広がる。畜産協会わかやまの山添博次事務局長は「壊滅的な影響だ。畜産農家同士が助け合いながら原状復旧するしかないが、農家の力だけではとても難しい」と話している。

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