2011/11/09

「少しでもお金返して」「牛がやせた」 県内オーナーら

http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20111108/656677
「少しでもお金返して」「牛がやせた」 県内オーナーら
(11月9日)

安愚楽牧場(那須塩原市埼玉)の破産手続きが始まる見通しになったことについて、県内の和牛オーナー制度の出資者や預託農家は8日、「少しでもお金を返してもらいたい」「飼料が十分でなく牛がやせた」といった悲痛な声が上がった。一方、同牧場の被害者の相談に応じている県弁護団の須藤博弁護士は「第三者が管理することで透明性が担保される」と評価しながらも、オーナー救済には厳しい見方を崩さなかった。
「民事再生でやれるのか半信半疑だっが、時間を掛けて少しでも返してもらえればと期待していたのに…」。老後の資金として夫婦で約5400万円を出資していた宇都宮市、無職男性(76)は深いため息をついた。
同牧場は資金ショート寸前。大量の牛が餓死しかねない厳しい状況が判明し、男性は「お手上げになったということか。どうしていいのか分からないが、つぎ込んだ財産を少しでも返してもらいたい」と訴えた。
約200万円を出資した那須塩原市の男性(71)は「これまでいい思いをさせてもらった。無理とは思うが、これからの生活を考えると少しでも返してもらえれば」とあきらめ口調だった。
県内預託農家の50歳代男性は「今のところ安愚楽側から飼料供給や預託料の支払いは続いているが、十分な飼料を与えられず牛はやせてしまった。早く新しい経営の引き受け手がみつかることを願っている」と心配そうな表情を浮かべた。
同牧場本社には現在約15人が勤務。応対した人事部の男性社員(62)は「破産について詳しいことは分からない。ホームページに載っているのでそちらを見てほしい」と繰り返した。
県弁護団の須藤弁護士は「破産処理で配当が少し増える程度ではないか。財産である牛がどれだけ売れるかは分からない」と厳しい見方を示す。
今後は資金の流れの解明や経営責任の追及が求められると指摘し、「破産手続きにまで追い込まれた同牧場を監督する立場にある国、県の責任も問われる」と強調した。

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