2011/12/06

安愚楽牧場に措置命令 県内オーナー「許せない」

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/news/20111201-OYT8T00068.htm
安愚楽牧場に措置命令 県内オーナー「許せない」
(2011年12月1日  読売新聞)

経営破綻し、破産する見通しの「安愚楽牧場」(那須塩原市)に対し、消費者庁が30日、景品表示法に基づく措置命令を出したことを受け、県内のオーナーからは「和牛オーナー制度自体がでたらめだったのか」など怒りや不信の声が相次いだ。専門家からは、破産直前になっての行政処分に対し、遅れを指摘する声も上がった。
夫婦で約5400万円を出資してきた宇都宮市の男性(76)は、「でたらめじゃないか」と怒りを隠さない。貯金や退職金のほとんどを出資。「安愚楽が提供してくれた旅行や観劇を楽しんでいる場合ではなかった。今後の生活が不安で仕方ない」という。
最近数年、恒常的に繁殖牛が足りない状態だったにもかかわらず、広告を出し続けた同社に対し、不信感は高まっている。
約15年前から2000万円以上を出資している栃木市の女性(72)は「自分の牛がいないなら、和牛商法自体が架空の話だったということ。絶対許せない」と憤る。
高利率をうたう広告を電車内で見て老後の資金にしようと始めた。1990年代に相次いだ和牛商法の摘発や、口蹄疫(こうていえき)で牛が大量に処分された際も「自分の牛は地方の農家が育ててくれているから大丈夫」と疑わなかった。「措置命令がもっと早く出て、問題がわかっていればやめられたのに」と悔やむ。
牛を確認しようと、那須町の牧場を訪れたオーナーもいる。約100万円を投資していた佐野市の自営業の女性(46)は、「この中に自分の牛がいるのかな、と思って見ていたのに。裏切られた気持ち」と肩を落とす。
明治大の円谷峻教授(消費者法)は「(措置命令は)ずいぶん遅いという印象」と語る。「行政は被害を未然に防ぐのが第一。消費者の声を聞いてきた国民生活センターや、内閣府の消費者委員会などと連携を密にし、自ら積極的に調査する姿勢が必要では」と話す。
日弁連消費者問題対策委員長の池本誠司弁護士は「契約に見合う事業の実体がなかったということ。消費者庁にはもっと早く動いてほしかった」としつつ、「今後、同社の事業を買い取る人間が参考にするなどの効果はあるのでは」と一定の評価を下した。

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