2011/12/06

安愚楽牧場:消費者庁が行政処分 繁殖牛、契約頭数達せず

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111201k0000m040061000c.html
安愚楽牧場:消費者庁が行政処分 繁殖牛、契約頭数達せず
毎日新聞 2011年11月30日 21時10分(最終更新 12月1日 0時05分)

和牛オーナー制度で多くの出資者を集め経営破綻した「安愚楽(あぐら)牧場」(栃木県那須塩原市)が飼育していた繁殖牛が、出資者の契約頭数より少なかったことが30日、消費者庁の調べで分かった。同庁は広告の内容と乖離(かいり)があり景品表示法に抵触するとして、同法に基づき違反の事実を公開するよう命じる処分をした。
同社は出資者に繁殖牛のオーナーになってもらい、生まれた子牛の売却益を配当にあてる方式を雑誌広告などで紹介し、出資を募集。オーナーは全国で約7万人に上る。消費者庁によると、遅くとも07年3月ごろから繁殖牛の数がオーナーの契約頭数の55~69%にとどまり、繁殖能力のないメスの子牛やオス牛も含め数合わせをしていた。同社は消費者庁に「配当を支払えばオーナーに迷惑はかからないと思った」と説明しているという。
今回の処分について、約10年前から1億円を投資した群馬県の女性(47)は「広告も頻繁に出ていて経営は安定していると思っていた。行政処分がもっと早ければ、ここまで投資は膨らまなかった」と話す。全国安愚楽牧場被害対策弁護団団長の紀藤正樹弁護士は「ビジネスモデル自体が破綻していて詐欺に近い行為が明らかになった。警察の捜査の端緒になるだろう」と期待する。弁護団への相談は6000件を超えたという。【曽田拓、水戸健一、中村藍】

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