2013/02/19

安愚楽破綻、きょう第2回債権者集会

http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20130121/963921
安愚楽破綻、きょう第2回債権者集会
(1月22日)

 和牛オーナー制度が行き詰まり破産手続き中の安愚楽牧場(那須塩原市埼玉)が2011年8月に経営破綻して間もなく1年半。本県を含む全国6カ所の出資者や被害対策弁護団は詐欺容疑などで安愚楽や経営陣を地元警察に告訴・告発する一方、各地の弁護団は国家賠償請求訴訟の準備を進める。22日に東京で破産手続きの第2回債権者集会が開かれるが、刑事、民事上の責任追及にもなお時間がかかるとみられ、負債総額約4300億円に上る「史上最悪の消費者被害問題」の行方は依然不透明なままだ。

 ■警察が情報共有
 2012年4月以降、地元府県警に告訴・告発したのは本県、大阪府、東海3県、千葉県、埼玉県、群馬県の6カ所の出資者ら。「新たな契約をしても和牛買い戻し代金などを支払えないにもかかわらず、(顧客に)支払いが受けられると誤信、契約させ金をだまし取った」などと訴えている。
 これまでに告訴・告発状を受理したのは大阪府警のみ。本県警の捜査関係者によると、被害は全国に及ぶことから、警察庁や警視庁などと情報交換しながら慎重に対応している模様だ。

 ■対象は2省庁想定
 国賠訴訟は各地の弁護団が全国弁護団と連携。本県弁護団によると、被告は旧農林水産省と消費者庁を想定する。「重要な事実」と注目するのは、預託法に基づく09年7月までの旧農水省による立ち入り調査と、同9月に同法の所管となった消費者庁の動きだ。
 同法は、出資者との契約数に見合う繁殖牛を飼育していないのに、それを偽り契約する「不実告知」などを禁止する。消費者庁は安愚楽破綻後、「07年度以降、飼育する繁殖牛はオーナーとの契約頭数の6割にも満たない時期があった」と認定しており、本県弁護団は両省庁が適切な対応をしていれば被害の拡大を防げたと訴える。

 ■「お金戻らない」
 破産管財人の渡辺顕弁護士は12年5月、第1回債権者集会で同4月末までに回収できた資産は約23億円、負債全体の0・5%にとどまると説明。22日の第2回債権者集会では進捗状況などに言及するとみられる。
 全国弁護団は「過去の消費者事件の例からも、今後の捜査の広がりによって違法性などが明らかになるまで、破産手続きを進める管財人も具体的な見通しを示せないだろう」と指摘。国賠訴訟を含め捜査の行方が一つの鍵を握るとみられる。

0 件のコメント:

コメントを投稿