2012/03/28

http://www.shinmai.co.jp/news/20120319/KT120316FTI090016000.html
安愚楽牧場債権者にも「2次詐欺」か 全国で相談、県内警戒 
03月19日(月)

和牛オーナー制度で黒毛和牛の生産を全国展開したものの運営が行き詰まった畜産会社「安愚楽(あぐら)牧場」(栃木県、破産手続き中)の債権者に債権買い取りなどを持ち掛け、現金を振り込ませようとする「2次詐欺」とみられる相談が全国で出始めていることが、国民生活センター(東京)や全国被害対策弁護団(同)への信濃毎日新聞の取材で18日分かった。債権者は長野県内にも700人以上いるとみられており、県消費生活室は被害拡大を警戒している。

昨年10月以降、同センターに寄せられた「2次詐欺」とみられる相談は10件ほど。同弁護団にも同様の相談が複数寄せられている。債権者に直接電話がかかっている例が複数あることから、同センターは出資者のリストのようなものが出回っている可能性があるとみている。長野県内の債権者からの相談は、今のところないという。

同センターによると、昨年10月、岐阜県の50代の債権者男性は自宅に電話があり、「債権を買って(同社の)土地を手に入れ、そこにソーラーパネルの巨大発電システム建設を計画している業者がある。費用を負担するので業者に出資してほしい。そうすれば、債権を4割の金額で買い取る」などと言われた。不審に思った男性が同センターに問い合わせ、被害はなかった。

一方、同弁護団によると、昨年8月に開いた債権者集会で、開場前に債権者らに声を掛け「何十万円か支払えばこちらで回収できる」などと勧誘する者がいたという。同弁護団事務局長の中川素充弁護士(同)は「たやすく回収できるような甘い話はない」としている。

県内の同牧場の出資者は、東京商工リサーチの調査によると784人、出資合計金額は44億円余とみられる。

県内では昨年秋以降、エビ養殖事業への投資名目で、全国の出資者から計約850億円を集めたとされる投資会社「ワールドオーシャンファーム」(東京、破産手続き中)の巨額詐欺事件に絡み、「出資金を返す」などと持ち掛け、手数料などを要求する不審電話も相次いでいる。実際に現金をだまし取られた被害者もおり、県警が詐欺などの疑いで捜査している。

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