2012/06/02

安愚楽牧場 初の債権者集会

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120530/k10015486761000.html
安愚楽牧場 初の債権者集会
5月30日 17時31分

「和牛オーナー制度」で7万人を超える会員を集め、経営破綻した畜産会社「安愚楽牧場」の初めての債権者集会が東京で開かれ、4000億円を超える出資金に対し、現時点では23億円程度しか回収できていない現状が明らかにされました。

栃木県那須塩原市に本社があった安愚楽牧場は、繁殖用の牛への投資を募って子牛を買い取って配当する「和牛オーナー制度」で成長を続け、会員は7万人を超えましたが、原発事故の影響などで経営が悪化し、すべての財産を処分する破産の手続きが東京地方裁判所で進められています。
裁判所は30日、初めての債権者集会を東京・千代田区で開き、およそ2000人の会員が参加しました。
一方、三ヶ尻久美子社長は、裁判所から出席するよう指示を受けましたが、病気を理由に出席しませんでした。
集会に参加した被害対策弁護団によりますと、集会では資産の処分や回収を進めている破産管財人が説明に立ち、会員からの出資金およそ4200億円に対し、現時点で回収できたのは23億円程度にとどまることを明らかにしたということです。
これに対して、会員からは社長などの責任を追及すべきだという声が相次いだということです。
破産管財人は、今後、東京電力に対して原発事故による被害の賠償を請求するなど、資産の回収を進める方針で、次の債権者集会は来年1月に開かれる予定です。

“被害回復”うたうトラブルに注意を
国民生活センターによりますと、安愚楽牧場の債権者に対し、債権を買い取るなどして被害を回復する代わりに新たな投資を持ちかけ、金を振り込ませるなどのトラブルに関する相談が、安愚楽牧場が破産手続きを申請した去年8月以降、30日までに274件寄せられているということです。相談はことしに入って急増していて、先月だけで88件に上っています。
今月、大阪に住む債権者に連絡してきた債権買い取り業者を名乗る男は「判決は10年後になるので配当には時間がかかるうえ、出資した金額の0.2%しかない」などと話したうえで、債権を「額面の20%から40%で買い取る」などと勧誘したということです。この債権者の担当弁護士で、「安愚楽牧場被害対策大阪弁護団」の団長、斎藤英樹さんは「裁判の判決と配当手続きには関係がなく、10年かかるというのはでたらめだ」と指摘したうえで「債権者の不安をあおり、新たな投資話を持ちかける典型的なケースで、こうした投資話には絶対に乗らないでほしい」と話しています。

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